「ちょっとの勇気で、新しい世界が広がる」俳優・桜田ひよりが映画『星の教室』で感じた、一歩踏み出すことの大切さ
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「靴紐がほどけたら、また結び直せばいい」一歩先に広がる、新しい世界

──山本學さんとのベンチのシーンも、印象深かったそうですね。
はい。孤独を抱えていたさやかの気持ちが、山本さんが演じる生徒の一人、巌さんが来てくださることでふっと和らぐ瞬間があって…。そのシーンの中でも特に好きなのが、「靴紐がほどけたら、また結び直せばいい」というセリフです。本当にそのとおりだなと思いました。その言葉や、巌さんが過去を語るときの表情から、「自分はこれからどうするべきなんだろう」「後悔しないで生きるにはどうしたらいいんだろう」と、さやかが考えるようになる。その熱量に圧倒されました。
──先生役の真木よう子さんと向き合うシーンでは、心を動かされた出来事があったとか。
さやかが、自分の親にも隠していた気持ちを、初めて先生に打ち明けるシーンがあるんです。初対面の相手に話すことは、相当な勇気が必要だと思います。でも、口に出さなければ前に進めない。ずっと逃げていた自分と向き合う、大切な場面でした。
──真木さんとのお芝居が、その場面にも影響したのでしょうか?
とても大きかったと思います。真木さんご自身が持つ柔らかさや包容力があったからこそ、出てきた言葉だったと思います。最初は向かい合って座っていて、そのまま終わる予定だったのですが、本番では真木さんが隣に来て寄り添ってくださったんです。あとで「隣に行ってあげたかった」と声をかけてくださって。その温もりや、初対面なのに初めてではないような安心感が、さやかの気持ちを話せる空気につながっていたんだと思います。とても好きなシーンです。
──桜田さんご自身は、ここぞというときに勇気を出して踏み出せるタイプですか?
できるときも、できないときもあります。自分の成長につながることなら一歩踏み出せますが、保守的になってしまう部分もあって。そのときの状況や、自分が携わっている作品によっても考え方が変わるので、いつでも勇気を出せるわけではないですね…。

──完成した作品をご覧になって、どんなことを感じましたか?
試写では皆さんが大きな拍手を送ってくださって。角川さんが、「素晴らしかった」と声をかけてくださいました。その瞬間、私自身もさやかとして救われた気がしました。完成した作品を観て、改めて人の背中を押せる素敵な映画だなと思いました。さやかの目線だけでなく、親の目線など、いろいろな立場から観ることができる作品なので、幅広い世代の方に届いてほしいです。
──最後に、新しいことに挑戦したいけれど、なかなか一歩が踏み出せない読者へ、メッセージをお願いします。
今回の作品を通して、学ぶことに年齢は関係ないし、遅いも早いもないんだと改めて感じました。本当に自分がやりたいと思ったら、少しの勇気で変わることができる。踏み出した先で気持ちを分かち合える仲間に出会えたり、知らなかった世界が広がったりすると思います。いくつになっても挑戦することは大切だなと。いろいろな事情で学校に通えなかった方にも、夜間中学という学びの場があることを知っていただく機会になったらうれしいです。
取材・文:井関さやか 撮影:堺優史(MOUSTACHE) スタイリスト:前田涼子 ヘアメイク:徳永舞(BEAUTRIUM) 衣装協力:ニット¥24,200、ワンピース¥26,400(ともにDEICY)
映画『星の教室』

©2026映画「星の教室」製作委員会
いじめをきっかけに不登校となり、中学を卒業できなかったさやか(桜田ひより)。夜間中学で、年齢も国籍も異なる人々との出会いを重ねる中、学ぶ喜びに触れ、少しずつ前を向いていく。学び直しと人とのつながりを通して、人生の新たな一歩を描く物語。
公開:11月6日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
原作:髙田郁「星の教室」(角川春樹事務所刊)
総監督:角川春樹
監督:中川龍太郎
脚本:松井香奈/角川春樹
出演:桜田ひより/仙道敦子/萩原聖人/小林虎之介/三戸なつめ/甲本雅裕/おいでやす小田/原田泰造/真木よう子/小泉孝太郎/中尾ミエ/浅野温子/山本學
配給:NAKACHIKA PICTURES/フライフリーエンターテイメント
制作プロダクション:楽映舎
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