「ちょっとの勇気で、新しい世界が広がる」俳優・桜田ひよりが映画『星の教室』で感じた、一歩踏み出すことの大切さ
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「役の一番の理解者でいたい」さやかの痛みに寄り添う役作り

──主人公のさやかは、悩みを抱えながらも前に進もうとする女の子です。どんな人物だと捉えましたか?
さやかは、とても感受性が豊かな子。人の気持ちや感情、その場の空気にも敏感なんです。それが裏目に出ることもあるけれど、裏を返せば、人に寄り添えるし、相手の感情や考えに共感できるということでもあると思います。ただ、さやかはその良さをまだ生かしきれていなくて、どうしてもマイナスな部分や過去にとらわれて、前に踏み出せずにいる。だからこそ、まずは私自身がさやかという存在を肯定してあげることが、役作りにつながるのではないかなと思いました。
──「役を肯定する」というのは、桜田さんが普段から大切にしている姿勢なのでしょうか?
はい。役作りで大事にしているのは、そのキャラクターの一番の理解者になることです。自分が経験したことのない人生を歩んできた人物を演じることもたくさんありますが、その人の過去や経験をたどっていくと、「こういうことがあったから、この言葉が出たんだな」と少しずつわかってくる。理解を深めて、その人と横並びに立つことで、私自身も演じやすくなる感覚があります。
──さやかの場合は、過去の痛みをどう受け止めましたか?
さやかは、いじめがきっかけで不登校になり、中学を卒業できなかった過去が、自分の足かせになっています。でも、過去への後悔やつらい記憶がまったくない人って、なかなかいないと思います。私自身にも重なる部分があるので、自分の中の後悔や痛みをさやかのものと照らし合わせながら、同じ目線に立ちたいと思っていました。
──そんなさやかが、夜間中学に通う決意をします。演じるうえで意識したことは?
さやかは、もともと学ぶ意欲がまったくないわけではないんです。「どうせやっても無理」「このまま一生変われないのかな」と思う一方で、心のどこかには、やり直せるならやり直したい、自分を変えたいという気持ちがある。だから夜間中学と出会ったとき、一歩を踏み出そうと思えたんだと思います。踏み出した先には、自分が知らなかった世界が広がっている。そのワクワクや学ぶことの大切さが、ネガティブな感情を追い越していく感覚を大事にしました。
──撮影を通して、特に心に残っている場面はありますか?
最初のほうにある、さやかが一人で学校へ向かうシーンです。それまで同世代の人を避けてきて、学校そのものにも嫌悪感がある中で、それでも学びたい、前に進みたいと思って、大きな一歩を踏み出す。あの一歩がなければ、ずっとそのままだったかもしれません。勇気を出せたさやかに、拍手を送ってあげたいと思いました。
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