私の生理の量は普通なの?多いの?比較しにくい「生理の量」

産婦人科医の林みなみです。前回は生理痛についてお話ししました。今回は、生理の量についてお話ししたいと思います。

生理痛と同じく、人と比べにくいのが生理の量です。

この生理の量が普通なのか多いのか、はたまた少ないのか。

疑問に思って調べても、「通常はトータルで140ml」と書いてあり……。

???
結局わからない。

産婦人科医の私も、自分の生理の量が何mlかわかりません!

答えがわからないので「みんなこれくらいなんだろう」と思ってしまいがちです。

基本的に、極端に少ない場合を除き、生理量が少なくて困ることはあまりないのですが、「生理の量がとても多いのに、それに慣れてしまっている」という方はとても多いです。

多い気はするけど、病院に行くほどなのかわからない。量が多いってどうやってわかるの?と思われた方も多いでしょう。

一番わかりやすい目安は、

・夜用ナプキンを日中に使っている
・生理量が一番多い日に、多い日の昼用ナプキンやタンポンが2時間もたずにいっぱいになる

です。

他にも、

・夜用ナプキンで一晩もたずに漏れてしまう
・レバーのような血の塊(2cm以上、5百円玉大くらい)が何度も混ざる
・生理が8日以上続く(日数が増えるのも、出血量が多いサインです)

といったことが当てはまれば、生理の量が多い「過多月経」という状態である可能性が非常に高いです。

また、生理の量が多いと、気づかないうちに貧血になってしまうことがあります。

・なんとなく疲れやすい
・からだがだるい
・ぼーっとしてしまう
・フラフラする、めまいがする
・この症状が生理中にひどくなる

などは、隠れた貧血のサインです!

さて、この「過多月経」。

原因はと言いますと、子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜ポリープといった子宮の病気や、まれですが内科的な病気が隠れていることがあります。子宮自体に病気はなくても、女性ホルモンのホルモンバランスの乱れによって量が多くなることがあり、こちらの方が多いと言われています。

治療法は、実は前回の「月経困難症」の治療とほとんど同じです。

・低用量ピル
・漢方薬
・IUS(子宮内黄体ホルモン放出システム:ミレーナなど)

特徴や副作用は前回の記事に詳しく記載しているのでぜひ読んでみてください。
実はこれらの治療、生理痛をなくすだけでなく、生理の量もグッと減らしてくれる優れものなんです!

前回の記事をチェック

ただでさえ不快な生理。量が多いとなおさら、生理が学校や仕事、大事なイベントに被ると憂うつですよね。

私が高校生の頃、同級生たちと生理の話になり、ひとりの女の子が「私めっちゃ生理多いんだよねー!夜は一度にナプキン3枚使ってんの!それでも漏れる!!!」と面白おかしく話しており、私を含めた周りの女子は「えー!やばー!」という感じで笑いながら聞いていたんです。

それが治療が必要な状態であること、適切な治療で生理の困りごとが減らせること、当時の私も、同級生たちも、もちろん知りませんでした。

今の私がその場にいたら、「それ、産婦人科で相談したら楽になるかも!」と伝えたい。

そんな思いでこの連載を書いています。

ちなみに、「婦人科ってどんな検査をされるか怖くて行けない……」という方も、安心してください。性経験がない方の場合は、お腹の上からの超音波検査や、お薬の処方だけで対応することがほとんどです。心配な場合は、電話や、当日の受付で事前に「初めてで不安がある」ということを伝えておくと良いと思います。

生理の量が多いのは、あなたの体質や我慢が足りないせいではなく、医療の手を借りて解決できる“困りごと”です。

生理中であっても診察はできますので、ナプキンを何度も替える日々にサヨナラするためにも、ぜひ一度お近くの婦人科で相談してみてくださいね。

文:林みなみ

 

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Profile

林みなみ

林みなみ

産婦人科専門医、医学博士。4歳、0歳の二児の母。女性がより快適に、自分らしく生きるための知識を発信している。SNSでは子育てや日常の気づきを中心に発信し、産婦人科医として女性の健康に関する情報も届けている。

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