「できないことは何もない!」挑戦と成功を重ねて育てた、武藤静香の“つよつよマインド”

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モデルとして一時代を築き、アパレルブランドのプロデュース、そして経営者として、常に自らの手で新しい道を切り拓いてきた武藤静香さん。

現在は新たにジュエリーの世界へとフィールドを広げ、ラボグロウンダイヤモンドを使ったブランドをプロデュース。SNSで見せるポジティブな姿や、迷いのない発言も多くの女性から支持される理由のひとつ。そんな武藤さんの“つよつよマインド”は、どのように育まれたのか。仕事、結婚・離婚、子育て、そして新たなビジネスへの挑戦まで、その根底にある価値観について語ってもらいました。

“つよつよマインド”を確立させたのは、小さな成功体験の積み重ね

──武藤さんといえば、ブレない自己肯定感、いわゆる“つよつよマインド”が印象的です。そのマインドは、どのようにして育まれたのでしょうか?

元々幼い頃から、自己肯定感は高い方だったと思います。親から褒められて、愛されて、大事にされながら、のびのび育ててもらったことは大きいですね。でも、今ほど自己肯定感が高かったわけではなくて……仕事を続けていく中で、少しずつできることが増えて、それが自信につながっていきました。特にアパレルのビジネスでは、ひとつひとつ「新しいことができるようになった」という経験を重ねてきたことで、今では「できないことは何もない!」とまで思えるようになりました。もちろん努力もしていますけど、そんな成功体験の積み重ねが大きいかなと思います。

──SNS時代は、他人の目やネガティブな声によって自信をなくしてしまう女性も少なくありません。武藤さんは、そうした声をどう受け止めていますか?

嫌なニュースはなるべく見ないようにしています。常にハッピーな気持ちで仕事をしたいし、そういうマインドで作ったものの方が、絶対にいいものになると信じています。ネガティブな情報が入ってきても、なかったことにしています(笑)。私、そもそも10代の頃から、落ち込むことがほとんどないんですよ。怒りを感じることはありますが、その怒りが「もっと頑張ろう」という原動力になります。ネガティブなことも、ネガティブとして受け取らないようにしています。

──SNSでネガティブなコメントを目にしても?

最近、「涙袋が老けて見える」というコメントをもらったんですけど、「じゃあ、ここを改善したらもっと可愛くなれるってこと? むしろ伸びしろじゃん!」って私は思いました。ネガティブも即座にポジティブに変換しちゃいます(笑)。それに、自分の苦手分野は自分でも把握しているので、基本的にはやらないようにしていますね。でも、時にはできないことへの挑戦も必要なときがある。その時は「それもまた伸びしろ」って考えるようにしています。そんな私の投稿を見て、フォロワーの皆さんに少しでも元気になってもらえたらいいなと思っています。

──そのポジティブな考え方は、息子さんにも伝えていますか?

めちゃくちゃ押し付けています(笑)。息子も私と同じ匂いを感じるというか、すごくポジティブな人間なんです。何か嫌なことがあったら、「明日はもっといい日になるよね」と言い聞かせています。洗脳ですね(笑)。子育てについて褒めていただくこともありますけど、この教育が将来的に息子の人生にどういった影響を与えるのかはまだわからない。ものを売る才能があったからよかったものの、私自身、人としては結構やばいと思っているので(笑)、息子には「何かを成し遂げないとダメだよ」と常に伝えています。

──どんなにポジティブでも、疲れてしまう日はありますよね。そんな時に気持ちを切り替えるためのルーティーンなどはありますか?

とりあえず寝ちゃいます。そういう日はもう何もしません(笑)。サボることは嫌いですけど、頑張っても仕方がない日ってあるじゃないですか。そういう日は潔く何もやらない。ただ、私には元々あまりONとOFFという感覚がないんです。日々生活しているなかですべてに対して、「ビジネスのヒントになる可能性があるのかどうか」という視点を持つようにしています(笑)。常に仕事につながることを考えているのかもしれません。

人生は「面白いかどうか」を基準に選択する

──離婚を公表された際も、武藤さんらしい率直な発信が印象に残っています。公表することに迷いはありましたか?

子どものことを考えると、離婚についてはすごく悩みました。実際に「子供がかわいそう」と言われることもありましたし。でも、隠していること自体が私にはストレスだったんです。発表した当時は配信を頻繁にしていたので、夫がいないことにみんな気づくだろうし、私自身、これからまた恋愛をする可能性だってある。だったら嘘をつかず、ちゃんと公表したいと思いました。勝手に発表してしまったので、各方面からは怒られましたけど(笑)。

──同じように離婚するかどうか悩んでいる女性が、そんな武藤さんの選択に勇気づけられる部分もありそうですよね。

離婚って、このご時世では特別なことではないと思うんですよね。同じように悩んでいる人の背中を、少しでも押せたら嬉しいです。

──再婚など、今後についてはどのように考えていますか?

今は正直どちらでもいいです。また結婚する機会があればすればいいし、別れたくなったら別れればいい。そのくらい気ままに捉えています。私はずっと「面白いかどうか」をベースに物事を選択してきました。それで結果的にうまくいくことが、自分にとっての成功=幸せなのかなと今は思っています。

いつかやりたかったファインジュエリー。「今だ」と思った瞬間に即行動

──アパレルで長く活躍してきた武藤さんが、次の挑戦としてファインジュエリーを選んだ理由を教えてください。

元々ダイヤモンドが好きで、25歳頃から「いつかファインジュエリーのブランドをやりたい」と思っていました。若い子が提案してもなかなか説得力を持たせにくい分野なので、年齢を重ねた時にできたらいいなって思っていたんです。数年前、ふと「今だ!」と思うタイミングがあって、SNSに「ダイヤのブランドをやりたい」って投稿したら、ありがたいことにいろいろな方から連絡をいただいたんです。連絡をくれた方、とにかく片っ端から会いましたね。中には怪しい人もたくさんいましたけど(笑)。

──その過程では、失敗もあったそうですね。

ありました(笑)。お話をいただいた企業さんから、プライベートで天然ダイヤモンドを購入したことがあったのですが、品質の割にかなり高額なものを売りつけられていたことが後にわかって……、「老舗だから大丈夫だろう」と信用していたんですけど、あれは大失敗でした。でも、そんなタイミングで、今度はラボグロウンダイヤモンドを扱う方から連絡をいただいたんです。実際に見てみたら、透明度の高い本当にきれいなダイヤモンドで、価格も自分の感覚にハマったんです。海外では既に、セレブリティが旅行の時などにカジュアルに身に着けるジュエリーとしてラボダイヤを愛用しているんですよね。「日本ではまだラボダイヤはそこまで知られていないし、これなら二番煎じにならない。やりたい!」と思ったのが、最終的にブランドを立ち上げる決め手に。あの時の失敗があったからこそ、ラボダイヤに出会えたんだって、今ではポジティブに捉えています(笑)。

「100点じゃなく、3,000万点」。妥協できないことが私の強み

──YouTubeで、ブランド作りについて「100点ではなく3,000万点を目指している」と話されていましたが、そこまで高みを目指す原動力はどこから来ているのでしょう?

う~ん、たぶん私、完璧主義なんだと思います。ネットで商品を売るなら、画面で見たものより実物の方がよくないとダメだと思うし、届いたものが写真より悪かったら、詐欺みたいになってしまう…結果的に信用を失いますよね。「妥協せずに徹底的にいいものを作る!」これはずっと変わらない私のモットーです。何に対しても中途半端ができない性格ゆえに、実を言うと、このようなインタビューって緊張するんですよ。「もっといいことを言えたのに、ちゃんと言えなかった……」と後から後悔するのが嫌なんです(笑)。

──今回のジュエリーブランドに関しても、その3,000万点の姿勢は変わらないですか?

はい、もちろんです。原価のかかるジュエリーでたくさん試作を作るので、正直、無駄なお金もいっぱいかかっています。でも、その無駄が成功への近道だと信じています。ダイヤモンドが一番美しく見える角度にものすごくこだわったり、逆にラボダイヤはくすみがなく綺麗すぎるので、あえてランクを落として微調整したり。そういう細かいことを考えるのが楽しいんです。美容家として人気の神崎恵さんはママ友でもあるのですが、以前いただいた「真面目な仕事しかできない。中途半端なことはできない」という言葉が、すごく胸に刺さっているんです。結局、仕事って嘘をつかないことが一番大事。私自身も、本当に心から良いと思ったものしかおすすめしたくないんです。

──年齢を重ねて「目を養ってきた」とも話されていました。若い頃と今とでは、ものを選ぶ基準も変わりましたか?

実は、好きなもの自体は昔も今もそんなに変わっていません。服のテイストもそうですし、好きなものはずっと好き。ただ、「いいものを見ていないと、いいものは作れない」と思っているので、年齢を重ねる過程で人より上質なものにたくさん触れて、細かい部分まで見続けてきたことは、今の自分の強みだと思っています。アパレル事業でも1cm単位でデザインにこだわってきましたし、お店に行っても文句ばかり言って、結局何も買わずに帰ってくるなんてことも結構あります(笑)。サンプルもたくさんの人に着てもらって、「誰が着ても似合う」「とにかくスタイルがよく見える」という万人受けする美しいラインづくりに徹底的にこだわってきました。私はたぶん、人よりかなりこだわりが強いんだと思います。

「この人の夢を一緒に叶えたい」と思ってもらえる経営者でいたい

──今回のブランド立ち上げにあたり、ご自身で会社も立ち上げられたそうですね。もともと経営者になることは考えていたのでしょうか?

実は若い頃、アルバイトにひとつも受かったことがなくて(笑)。私たちの世代では、当時テレアポのアルバイトが流行っていたんですよ。ギャルでもできて、ネイルや金髪もOK。それすら落ちましたから(笑)。『小悪魔ageha』が創刊した頃はまだ隔月刊で、雑誌がこの先どうなるかもわからなかったので、キャバクラで1週間くらい体入しようとしたこともあったんです。でも、初出勤の日、ヘアメイクをしてもらっただけで満足して帰ってきちゃって、結局働けませんでした(笑)。普通に働けない、だからもう経営者になるしかなかったんです。消去法ですね(笑)。あとは、家族が全員経営者という家庭環境も多少なりとも影響しているかもしれないですね。

──経営者として、スタッフとの関係で意識していることはありますか?

怒るより褒めて伸ばす、といった自分なりのルールは決めています。でもそれ以上に大切にしているのが、「この人の夢を一緒に叶えたい」と思ってもらえるような人であるかどうか、ですね。周りの人から応援してもらえるように、これまで頑張ってきたつもりです。それに、仕事場でも私は常にハッピーでいたいんです。だから一緒にいて楽しい人と仕事をしたいし、嫌な人とは仕事をしません。かなりはっきりした性格なので(笑)。ジュエリーをライブ配信で販売する時も、「楽しい」が基本。ブランドを立ち上げたばかりなので、今購入してくださっている方は、元々私を応援してくださっている方が多いんですよね。オフ会などで実際にお会いすると、自分のことを好きでいてくれて、しかも話まで合う…「これって最高じゃん!」って思ってます(笑)。ファンの方や購入してくださった方と交流できる時間は、私にとってもすごく楽しみなイベントです。

──最後に、WEBマガジン「La Voix」にちなんで、武藤さんの人生を動かしてきた“一言”を教えてください。

座右の銘、あったんですけど……忘れちゃいました(笑)。きっと大した言葉じゃなかったんだと思います。好きな言葉なら、「能ある鷹は爪を隠す」とか「弱肉強食」とか。強めの言葉が好きなんですよ(笑)。結局、人生は戦いだと思っているので。

取材・文/井関さやか 撮影/野口マサヒロ(WIND)

Profile

武藤静香

武藤静香

モデル、ブランドプロデューサー、経営者。ファッション誌『小悪魔ageha』のモデルとして人気を博し、その後、アパレルブランドのプロデュースなど、活動の幅を広げる。長年培ってきたファッションへの審美眼とものづくりへのこだわりを生かし、現在はジュエリーの分野にも進出。ラボグロウンダイヤモンドを用いたジュエリーブランドを手がけるほか、SNSやYouTubeを通して、日々ファッション、仕事、ライフスタイルなどを発信している。

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