〝一流〟を目指して走り続ける、振付師・槙田紗子が描く未来とは
日本では安らげなくなってしまいました(笑)

――今はお仕事でとてもお忙しいと思いますが、恋愛とのバランスはいかがですか?
うーん……今は完全に仕事が第一ですね(笑)。仕事をしているときとプライベートでは、自分でも驚くくらいモードが違うんですよ。母にも「紗子がこんなに働いているなんて信じられない」と言われるくらいで(笑)。
今は生活のほとんどが仕事モードなんです。常に次の作品やアイデアのことを考えていて、頭を使い続けてしまうので、心からリラックスしている自分になる時間があまりないんですよね。だから今は、恋愛よりも仕事に夢中になっている時期なんだと思います(笑)。
――そんな忙しい毎日の中で、どのようにリフレッシュしているんですか?
日本にいると、なかなか難しいですね(笑)。たとえば箱根の温泉に行ったとしても、結局仕事のことを考えてしまうんです。だから私にとっては、海外旅行がいちばんのリフレッシュかもしれません。無理やりにでも環境や空気ごと変えないと、リセットができなくて。
――友達と遊んだりは?
お酒を飲むことが好きなので、仕事終わりに友達と飲みに行くことはありますね。忙しくても、それだけは時間をつくってでも行くほうかもしれません。それが少しは切り替えにはなっているかも。それがなかったら本当に心が死んでいるかもしれません……(笑)。
――そういった時間は大切ですね!
昔は、それすらできなかったんですよ。「この人と3時間会っている間に、仕事でもっとできることがあるんじゃないか」と考えてしまって、どこか罪悪感があったんですよね。でも今は、仕事の進め方も昔とは変わりました。振付をつくるスピードも上がりましたし、アシスタントに支えてもらえるようにもなって、以前より余裕を持って仕事ができるようになったんです。
だから今は、ご飯に行ったり、友達と過ごしたりする時間も、「明日頑張ればいいよね」と思って、安心して取れるようになりました。いい意味で開き直れるようになったというか(笑)。そういう感覚は、経験を積んで大人になったからこそ持てるようになったものなのかなと思います。
――ストレスを溜めないために、意識していることはありますか?
う〜ん、基本的にあまりストレスを溜め込まないタイプなんですよね。これも大人になってからできるようになったことなんですけど、自分の心や体が「これは無理だな」って拒否反応を起こすことは、できるだけやらないようにしています。
もちろん仕事なので、多少の無理はしますけど、「これをやったら絶対ストレス溜まるな」とか、「きっと不満ばかり出てくるな」って思うことは、最初から選ばないようにしています。無理をするのと、自分をすり減らすのは違うと思っているので、その線引きは意識していますね。
――昔から、そういう考え方ができていたんですか?
いや、全然できなかったですね。昔は、人の期待に応えなきゃっていう気持ちがすごく強くて、できないことでも「できます!」って言ってしまうタイプでした。
でも、それって結局はまわりに迷惑をかけちゃうこともあるんですよね。それがわかるようになって、いろいろな経験を積んで、自分にも少しずつ自信が持てるようになってからは、人に頼ることもできるようになりました。
もちろん、それで迷惑をかけてしまうこともあるかもしれないですけど(笑)。でも、昔よりは「できないことはできない」と言えるようになったし、人を信頼して任せることも大事なんだと思えるようになりました。もしかしたら、まわりからは「わがままだな」って思われているかもしれないですけど(笑)。
――では、10年後はどんな自分になっていたいですか?
このまま進化し続けたいという気持ちがありながら、ここ数年は自分の得意なことをひたすら伸ばしてきた感覚なんです。でも、それだけだといつか限界が来ると思っていて。だからこれからは、自分が苦手なことにも挑戦して、自分の幅を広げていきたいですね。舞台やミュージカルに挑戦したいと思っているのも、その理由の一つ。今までとは違うジャンルに飛び込むことで、新しい引き出しを増やしていきたいと思っています。
あと、今の状況って、自分の得意なことと時代の流れがたまたまうまく重なった結果でもあると思っているんです。だから、このままでずっと続くとは思っていなくて。時代は必ず変わるので、その変化に合わせて、自分も変わり続けられる人でいたいですね。それが一流ということなのかなって思っています。
――紗子さんが思う“一流”とは、どんな人ですか?
うーん……長く求められ続ける人、ですかね。それも、高いレベルで。最近、郷ひろみさんとお仕事でご一緒させていただく機会があるのですが、郷さんって誰もが認める日本のトップスターじゃないですか。そういう方を間近で見ていると、才能があること以上に、「長く第一線で活躍し続けること」のすごさを実感するんです。
一時的に注目されることよりも、時代が変わっても必要とされ続けることのほうが、ずっと難しい。だから私にとっての一流は、長い時間をかけて信頼を積み重ねながら、高いレベルで求められ続ける人ですね。
――確かにそうかもしれないですね。
あと、やっぱり仕事は楽しくしていたいです。仕事でもプライベートでも、周りにはストイックで面白い人たちが本当にたくさんいて。そういう人たちと一緒にいられることはすごく刺激になりますし、本当にありがたい環境だなと思っています。
私はたぶん、エンターテインメントの世界でしか生きていけないタイプなんです(笑)。だから、この世界でいろいろな人と切磋琢磨しながら仕事ができていることが幸せですし、今は本当に毎日が楽しいです!

取材・文/竹尾園美 撮影/田中丸善治
Profile
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槙田紗子
1993年11月10日生まれ、神奈川県出身。2009年、ガールズロックユニット「ぱすぽ☆」のメンバーとしてデビュー。2011年にはメジャーデビューシングル「少女飛行」が女性グループ史上初となるオリコン週間ランキング初登場1位を獲得するなど、アイドルとして活動。2015年のグループ卒業後は、振付師として新たなキャリアをスタート。現在は、FRUITS ZIPPER「わたしの一番かわいいところ」、M!LK「好きすぎて滅!」、CUTIE STREET「かわいいだけじゃだめですか?」など、SNS時代を象徴する数々の話題曲の振り付けを担当。“バズるダンス”を生み出す振付師として注目を集めている。
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