「美味しいの原点を探して」幸後綿衣|vol.4 昔ながらの製法が育む、澄んだ旨味。伊勢志摩の鰹節を訪ねて(三重県伊勢市)

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煮て、燻して、寝かせて。おいしさを育てる半年間

「とにかく手間がかかる」といっても、どんな作業があるのか、なかなか想像できないですよね。ここで、鰹節ができるまでの工程を簡単にご紹介します。

鰹節は、簡単に4つの工程を経て作られます。

①切る
②煮る
③燻す
④発酵させる

です。

鰹節は、鰹を切り分けて煮たあと、骨を取り除き、燻して乾燥させることで作られます。ここまで仕上げたものが「荒節」。さらに表面を削って整え、カビ付けと天日干しを繰り返して熟成させると、「枯節」や「本枯節」になるんです。

鰹節づくりを継承している「かつおの天ぱく」四代目・天白幸明さんが、丁寧に説明してくれる

天ぱくさんが大切にしている昔ながらの「手火山製法」では、厳選した薪を使い、85〜90℃ほどの手火山で約1時間燻すところから始まります。

本節の場合は、燻す工程を10〜15回も繰り返すそう。

一度に乾かすのではなく、じっくり水分を抜いて、あの硬い鰹節に仕上げていくんですね。

その後のカビ付けも、おいしさを左右する大切な工程。カビの働きで余分な脂肪が分解され、澄んだ味わいや香りが育まれていきます。こうして半年ほどかけて仕上がる一本。いつもの出汁のおいしさに、これほどの手間と時間が詰まっていたんです。

火加減を手で調整しながらじっくりと燻す旧式の製法

そして、この土地で作られてきた「波切節(なきりぶし)」についても教えていただきました。

江戸時代には波切に多くの鰹節屋さんが軒を連ね、評判を聞いて遠方から買い付けに来る人もいたそうです。明治時代には博覧会でも評価されたのだとか。天ぱくさんは、そんな波切節の伝統を今に受け継いでいるんですね。鰹節を通して、この土地の歴史まで知ることができ、とても勉強になりました。

天ぱくさんの鰹節をのせたご飯もいただきました。シンプルだからこそ、鰹節の香りと旨味を存分に楽しめて、とってもおいしかったです

Profile

幸後綿衣

幸後綿衣

1989年6月30日、徳島生まれ、福岡育ち。高校進学と同時に上京。上智大学卒業後、すし職人を目指し「すし匠」「西麻布拓」「鮨 あらい」10年にわたり修行。2018年には1年間フランスに留学しソムリエ資格を取得。2019年「鮨 あらい」に復帰し、鮨を握ったり、煮物、汁物の味付け全般を任せられるように。2020年から2番手として腕を振るう。2023年11月独立、麻生十番に「鮨 めい乃」をオープン。

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