「大事なのは覚悟」28歳女性社長が提言する“決断”に必要な3つの信条【後編】
Index目次
Webマガジン『La Voix(ラボワ)』はフランス語で「声」を意味し、女性のキャリアや生き方を応援していきます。
vol.1に続き、シェラリゾートホテルズ代表の富原さんが、ご自身の経験や想いを語ってくれました。22歳の若さで約100人もの従業員を束ねる社長となり、5年で売上225%にまで成長させたセンスの持ち主。それでも、社長になったのは“予想外”だったと言います。後編は、社長として決断を下すときの信条について聞きました。

決断の信条1 自分の「価値観」を広げることが、会社の可能性を広げる
――社長に就任して6年目。今、経営者として特に大切にされていることは何ですか?
「何よりも、『自分自身の価値観を広げ続けること』です。経営者が描ける思考の枠が、その組織の限界になってしまう。いわば私の価値観が、会社の可能性に直結すると考えているからです。
世の中には稀に天才がいるかもしれませんが、私のような凡人は、『自分が知っている以上のもの』を作るのは、そう簡単なことではないと感じています。
だからこそ、まずは『知る』こと。既成概念にとらわれず、多角的に物事を見て、とにかく自分で動いて体験することを大切にしています。会いたい人がいればすぐに会いに行き、興味を持ったことはまず自分でやってみる。そうして自分の中にある選択肢を増やすことが、結果として会社の可能性を広げることにつながると信じています。
まず、『知る』。その上で、どうしていくのかを考える。 私がそうやって常に考えをアップデートし続ける姿を見せることで、チームに新しい視点や刺激を与えられたらなって思います。私の変化をきっかけに、みんなで一緒に考え、試行錯誤しながら成長していく。そうやって、組織全体の限界を少しずつ押し広げていくプロセスを大切にしていきたいと思っています」
――最近だと、具体的にどのようなことに興味を持ち、動かれているのでしょうか?
「ここ最近は、ホテルの空間を構成する、建具や家具のあり方について考えています。旗艦店舗である白馬のホテルも開業から30年が経ち、ここ数年で客室や共用部のアップデートを進めています。いままでは、どこか『非日常感』が弱いなという課題を感じていたんです。
その理由は何かと考えたとき、置いているものが『どこかで見たことがあるもの』になってしまっているからだと気づきました。お客様に日常を忘れてリフレッシュしていただくのがリゾートホテルの使命なのに、日常の延長線上にあるようなものでは、その役割を十分に果たせないのかもしれない、と思いました。
だからこそ、そのへんでは見かけない、私たちのホテルに合うもので空間づくりをしていきたい。最近は海外の工場やディーラーにも出向いて、『私たちの空間にふさわしいものは何か』を模索しています。まずは自分がまだ見たことのないものに積極的に触れ、その可能性を広げていきたいと考えています」

ホテルシェラリゾート湯沢
――海外にも行かれているのですね。プライベートで旅行を楽しまれることはありますか?
「最近はプライベートの旅行というのはあまり行かなくなってしまいました。でも、提供する側の立場だからこそ、『お客様としての感覚』を忘れないようにすることは常に大切にしています。
滞在先で『このお声がけは心地いいな』と感動したり、お料理の美しさに作り手の熱量を感じたり。そうした一人のゲストとしての実体験が、会社の未来を作る大切な引き出しになります。
ただ、仕事とプライベートの区別がないせいか、お部屋に入って落ち着くより先に写真を撮りまくってしまうんです(笑)。作りや素材を細かくチェックしたり、時にはスケールでサイズを測ってメモしたり。
自分でも『無意識にやってるなあ』と可笑しくなるのですが、よく考えたら、子どもの頃に家族で旅行したときも、父が全く同じことをしていたなと思い出して。そんな風に、仕事と日常の境目がない今のスタイルを、私自身心から楽しんでいます」
- Tag
- #Interview
Profile
-
-
富原玲奈
1998年生まれ、28歳。慶應義塾大学総合政策学部卒業。長野県白馬村出身。2021年大学卒業後すぐに家業であるリゾートホテルの社長に就任し、今年で6年目をむかえる。現在は、地元である長野県白馬村と新潟県湯沢町でリゾートホテル、石川県金沢市で宿泊特化型ホテル、長野県白馬村で飲食店など、5つの施設や店舗を経営している。
Related
関連記事

