22歳、突然の社長就任!「やるしかない」と駆け抜けた5年間【前編】

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新サイト『La Voix(ラボワ)』はフランス語で「声」を意味し、女性のキャリアや生き方を応援します。

その第1回目として、シェラリゾートホテルズ代表の富原さんが、ご自身の経験や想いを語ってくれました。22歳の若さで約100人もの従業員を束ねる社長となり、5年で売上225%にまで成長させたセンスの持ち主。それでも、社長になったのは“予想外”だったという。前編は、そんな彼女の過去、現在、未来から、キャリア形成のヒントを紐解きます。

微笑む富原玲奈さん

【はじまりの22歳】大学卒業1週間前に進路変更! 急遽、学生→社長に

――大学卒業と同時に社長に就任されています。もともと予定されていたことだったのですか?

「いいえ、実は卒業後は別の学校に進学する予定でした。それが、卒業式をわずか1週間後に控えたある日、当時の社長が突然の退任を表明されたんです。まさに青天の霹靂。これからの人生の計画がすべて白紙に戻るような、想像もしていなかった事態でした」

――“想像もしていなかった”社長になると決意したときは、どういう心境でしたか?

「社長という職責の重さを思うと同時に、正直なところ、“この状況で放り出すような方に、父が遺した大切な会社を任せてはおけない”という強い憤りもありました。

私が大学1年生のときに、創業者である父が他界しました。父が命をかけて守ってきたこの会社を、次に繋いでいけるのは自分しかいない。その事実に直面したとき、進学か、社長になるか、の迷いは消えました。その日のうちに『私がやるしかない』と覚悟を決めたのを覚えています」

――はじめての社会人で、いきなり社長という責任重大なポジション。困難も多かったのでは?

「そうですね。アルバイトやインターン以外の社会人経験がないまま、いきなり組織のトップに立ったわけですから、周囲からは厳しい目で見られることもありました。『まだ若いのに』『一度失敗すればわかるよ』といった、心ない言葉を投げかけられたことも一度や二度ではありません。

でも、そこで怯むのではなく、目の前のひとつひとつの仕事に誠実に向き合い、丁寧に積み上げていくことだけを考えました。必死に走り続けていたら、気づけばあっという間に5年が過ぎていた、というのが本音です」

【28歳の今】人を喜ばせるセンスとゆるがない度胸で売上225%にまで成長

――今年、社長になって6年目になりますね。成長したなと感じることは何ですか?

「私個人が経営者としてどこまで成長できたのかはわかりませんが、一つの結果として、この5年間でグループ全体の売上高を225%まで引き上げられたことには、確かな手応えを感じています。

社長という立場は、日々が決断の連続です。現場の細かな改善から、会社の未来を左右する大きな投資まで、毎日あらゆる判断を求められます。もちろん、すべてが想定通りに進むわけではありません。予期せぬ事態に直面し、内心では『どうしよう』と少しビビりながら、震える手で決断を下すような場面も多々あります。

ですが、そうした逃げ場のない場面での判断を積み重ねてきたおかげで、いつの間にか、多少のことでは動じない度胸が備わってきたように思います。迷いながらも、最後には自分の直感とチームを信じて決める。その覚悟の積み重ねが、今の私を作っています。ちょっと強気すぎますかね?(笑)」

ホテルシェラリゾート白馬

――自信や度胸。その原動力になっていることは何ですか?

「やはり、お客様の笑顔と、スタッフの成長。この2つに尽きます。

私たちのホテルのコンセプトは、『⾃分がお⾦を払って ⼤切な⼈を連れて 何度も訪れたくなるホテル』です。お客様が貴重なお休みを使って、数ある宿の中から私たちを選んでくださる。その期待を超えるおもてなしができたとき、そして、お客様の『また来るね』が現実となったとき、心からこの仕事を選んでよかったと実感します。

そしてもうひとつ、経営を続ける中で大きな原動力となっているのは、スタッフたちの成長を肌で感じる瞬間です。

就任当初は、社会人経験のない焦りから“自分がしっかりしなければ”と肩に力が入りすぎて、一人で空回りしていた時期もありました。でも、そんな私を支え、日々の営業を通して現場を守ってくれたのは、他でもない大切なスタッフたちでした。

最近では、マニュアルにはない細やかな気配りでお客様に喜んでいただけたエピソードを耳にしたり、若手のスタッフが自発的にアイディアを出してくれたりする姿をよく目にします。彼らが自分の意思で動き、自信を持っておもてなしを楽しむ姿は、経営数字以上に、私にとって最高の報酬です。

一人ひとりの成長が、結果としてお客様の満足につながり、売上225%という数字を押し上げてくれた。そう、確信しています」

Profile

富原玲奈

富原玲奈

1998年生まれ、28歳。慶應義塾大学総合政策学部卒業。長野県白馬村出身。2021年大学卒業後すぐに家業であるリゾートホテルの社長に就任し、今年で6年目をむかえる。現在は、地元である長野県白馬村と新潟県湯沢町でリゾートホテル、石川県金沢市で宿泊特化型ホテル、長野県白馬村で飲食店など、5つの施設や店舗を経営している。

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