未来をつくる“声”の対話 vol.3【校長・赤荻瞳×シブジョ生・はるかさん】
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“ピンクを好き”と言えなかった経験が、原点になった
なぜ彼女がそこまでピンクにこだわるのか。その理由は、単なる好みの話だけではありません。
赤荻校長「そもそも、なんでそこまでピンクを大事にしたいの?」
はるかさん「小さい頃からピンクがすごく好きだったんです。でも、2年間だけ公立に転校したことがあって、その時に“みんなと一緒じゃないとおかしい”みたいな空気があって。ピンクが好きなの?みたいに言われて。その時、本当はピンクが好きだったのに、白が好きって言ってたんですよ。みんなと違うって思われたくなかったから。でも、その時に、自分の好きなものを素直に好きって言えない環境があるんだなと。それを変えたいなって思うようになりました」
赤荻校長「じゃあもう、自分のピンクを普通にしてやろう、っていうことなんだね」
はるかさん「はい」
はるかさんが作りたいのは、ただピンクの制服だけではなく、“好き”を好きと言っていい世界そのもの。彼女のピンクは、単なる色ではなく、自分らしさの象徴であり、同時に「他人と違ってもいい」と言える社会への意思表示でもあります。

JKだからできない、を変えたい
インタビューの終盤、はるかさんは20代・30代の読者にもまっすぐ届く言葉を残していました。
赤荻校長「20代、30代の人に、学生だからこそ言えることがあるとしたら、どんなことを伝えたい?」
はるかさん「やっぱり、自分の個性を大切にすることだと思っています。公立に行った時に、みんなと合わせないといけない感じが結構嫌だったので。JKだから起業できないとかじゃなくて、JKでも起業できるっていう世の中にしていきたいなと思っています。やりたいことは何でもやるっていう考えを、みんなで年齢とか条件とか関係なく持てたらいいなって思います。あと、年齢が上がっていくと、“この年齢でピンクが好きなの?”って言われることもあるかもしれないので、それもなくしていきたいです」
この言葉には、はるかさんの夢が「自分だけの成功」で終わっていないことがよく表れていました。JKでも起業できる。大人になってもピンクを好きでいていい。年齢や空気や周囲の基準に、自分の“好き”を奪わせない。そんな価値観を、自分のブランドで証明したいのだと思います。可愛いものを好きでいていい社会にしたい。そこに、はるかさんの夢の大きさがありました。

自分で選んできたから、自分で進める
はるかさんの話を聞いていると、「自分で決めること」に慣れている人なのだと感じます。その背景には、家庭での育ち方もありました。
幼稚園の頃から、自分が「ここは嫌だ」と思えば、親が「じゃあ違うところに行こうか」と受け止めてくれたこと。学校も自分で選んできたこと。日本の学校が合わず、インターでやっと落ち着いたこと。そうした積み重ねがあるからこそ、はるかさんは「自分に合う場所を探して、そこに飛び込む」ことに迷いがありません。大学についても、海外大学への関心を持ちながら、日本での活動との両立まで見据えて考えている様子がうかがえました。
ピンクの教室に目を奪われて、説明会に行った女の子が、いまはピンクの制服ブランドを立ち上げようとしている。しかもそれを、日本だけでなく、世界にも広げようとしている。可愛らしい見た目の奥にあるのは、驚くほど具体的な未来設計と、「好きなものを好きと言っていい世界にしたい」という明確な意志。
夢の話をしているのに、ふわふわしていない。むしろ逆で、夢を語る時ほど言葉が現実的になる。はるかさんの魅力は、まさにそこにあるのだと思います。見た目はやわらかく、でも中身は熱い。可愛いのに、強い。そのギャップごと、これから彼女のブランドになっていくのかもしれません。次に会う時には、このシブジョで制服のサンプル撮影をしているかもしれない。そんな未来が、ごく自然に想像できる対話でした。
取材・文:門脇才知有 撮影:野口マサヒロ(WIND)
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