児玉美月|「いいこ」であるクィアたち【自分らしく生きるための映画紀行 第5回】
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地下水脈としてのクィアネス
また、『グッドワン』の監督であるドナルドソンも、あらゆる物語にもっとクィアのキャラクターが登場すべきだと考えている。そのクィアネスはあからさまな方法でもそうでなくてもいいが、『グッドワン』においては、クィアネスをサムの育つ環境のあらゆる側面が人生に影響を与えるのと同様の、いわば基盤のようなものにしたかったと語っている。劇中ではサムがクィアだと明言されてこそいないものの、彼女がどういったレンズで社会をまなざしているのかということにおいて、それが重要な一要素であることは地下水脈に流れている。
重要なのは、「クィアが自然に存在する」ということそれ自体ではなく、そのうえで作り手が映画の外で登場人物たちがクィアであるとはっきりと名指し、そのクィア性について現在地点を探りながらどういった意識で取り入れているのかまで責任を持って表明しているところにあるといえるのではないか。そうした作り手たちのもとで生まれた『Shiva Baby シヴァ・ベイビー』と『グッドワン』は、まさに新時代のクィア映画と呼ぶにふさわしい。
文・児玉美月
『グッドワン』

販売元:アルバトロス
『シヴァ・ベイビー』

配給・宣伝:SUNDAE
U-NEXTにて独占配信中
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