りな日記 vol.3

5月8日(金)

今年の目標のひとつに「料理教室に行く」というものがありいくつか目星をつけつつも悩んでいたところで「一緒にベトナム料理のプライベートレッスンに行かない?」という嬉しいお誘いを少し前に受けていた。

お誘いを受けたのは4月中頃。その日からずっと待ちに待っていた料理教室が今日。本当に本当に楽しかった。こんなにも「行って良かった」と思うこともあまりないように思う。

ベトナム出身の先生によるレクチャーとデモンストレーションの中で時折り挟まれるベトナムという国の歴史や南北の違い、先生の生まれ育ちなどのパーソナルな話が印象に残っており、どんな食文化の後ろ側にも地理的・歴史的・気候的な背景があることを改めて知る。

例えば、生春巻きにハーブをいっぱい入れるのは南部でハーブがたくさん採れるから。プリンを食べるのはフランスの影響。など。同じ国の同じ料理でも南北で全然違う。南側のフォーのスープは少し甘め。

先生は生春巻きのことを「まきまき料理です」と言い、その後も「まきまき」と呼んでいて可愛かった。「自分たちで巻いて手で食べるのが楽しいしおいしい」という先生の言葉がその通り。明日にでもまた作りたい。

5月9日(土)

昨日習ったベトナム料理を作るため食材大量買い出しの旅に出る。といっても近場の新大久保で大体揃った。先生がよく行くという外国スーパーで昨日の味とレシピを思い出しながら食材を買い込み、自宅に戻って早速作ってみる。

習ったことを頭の中で再生しながら生春巻きを作ると想像以上にうまくいった。特にピーナッツベースのソースは昔ひとりで行ったホーチミンで口にした味になってびっくり。勉強でも料理でも習ってから時間がそこまで経ってないうちに復習するのって大切だよねと実感。

同じく昨日習ったベトナムの伝統的なデザート「チェー」も作ってみた。日本にはない、異国の味。それが自分の手で作れるようになったという感動。経験を血肉にできた気がして嬉しい1日。

 

文・写真:佐々木里菜

Profile

佐々木里菜

佐々木里菜

写真家。1991年宮城県仙台市生まれ。スタジオ勤務や写真家の弟子を経て2019年より商業写真家として活動する傍ら、2020年より日記を中心とした文筆活動を細々と行う。主な著作に『ロイヤル日記』(2024年)、『料理未満日記』(2024年)、『近く訪れる彗星』(2025年)など。夜の散歩と植物と疲れている日にわざわざつくる料理が好き。

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