りな日記 vol.8

7月10日(金)

「りな日記」担当編集Aさんが突然ピングーのぬいぐるみを見せてくれる昼下がり。Aさんのお目当ては違うキャラクターだったようで「メルカリに出そうか悩んでいる」と言っている。見せられたピングーは造りがとても危うい上に、控えめに言っても不細工め。しかし見ているうちになんだか愛着が沸いてしまい、知らない人の元に渡ってしまうのが惜しくなり、Aさんにお願いして定価で買い取ることにした。Aさんは「ではこの500円で同じガチャガチャをやっていいですか?」と言い、帰り道にトライ。無事にお目当ての子を引き当て喜んでいた。Aさんが嬉しそうだと私も嬉しい。ランティエ転載用「りな日記」ゲラに赤字を入れて仕事終了。気分が良くなり神保町から水道橋まで歩いたら暑すぎた。でもそのじりりとした暑さがなんだか思い出深い一日。

 

7月17日(金)

ピングーを手にした日から毎日ピングーのことしか考えられなくなりピングー展へ。実際に使用されたクレイモデルが展示されており、その実物を見ているうちに、主役のピングーよりもピングーの妹・ピンガのことが好きになる。ひとつひとつが命のよう。

ピングー展を存分に楽しんだ後、打ち合わせがてら連れて行っていただいたお店はシンガポールの定番朝ごはん・カヤトーストのお店だった。カヤジャムと呼ばれる甘いジャムを挟んだトーストに、ダークソイソースをかけた温泉卵をつけて食べる。実はずっと食べてみたかった異国料理のひとつ。ピングー展のおかげで来れた+食べられて嬉しい。カヤジャムの中に知らない味を見つけ、パンダンリーフというハーブが使われていると教えてもらう。育ててみたい。コンデンスミルク入りのアイスコピの甘さと苦さが夕方の暑さによく沁みる。よく笑った一日。

 

7月20日(月)

カヤトーストのおいしさが忘れられず、有楽町まで食べに行く。人生はしりとりのようなもので、ピングーからのカヤトースト。ではこのカヤトーストとアイスコピは、次はいったい何になるのだろう?

 

文・写真:佐々木里菜

Profile

佐々木里菜

佐々木里菜

写真家。1991年宮城県仙台市生まれ。スタジオ勤務や写真家の弟子を経て2019年より商業写真家として活動する傍ら、2020年より日記を中心とした文筆活動を細々と行う。主な著作に『ロイヤル日記』(2024年)、『料理未満日記』(2024年)、『近く訪れる彗星』(2025年)など。夜の散歩と植物と疲れている日にわざわざつくる料理が好き。

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