「『ちゃんとしなきゃ』をやめたら、人生も料理もラクになった」爆速レシピクリエイター・およねさんが届けたい、自分を大切にする生き方
誕生日は自分だけのために豪華な料理を作る!

――いつも家族やファンのために料理をすることが多いと思いますが、もし自分のためだけに料理をするとしたら?
エスニック料理ですね。私自身はパクチーが大好きなんですが、家族はあまり好きじゃないので、普段はなかなか作れないんです(笑)。実は毎年、自分の誕生日には「自分のためだけの料理」を作るのを恒例にしているんです。毎年テーマを決めて、自分のためだけの特別な料理を作るのが楽しみで。
――素敵ですね。どんな料理を作ったことがあるんですか?
例えば、私が大好きな料理家・寺井幸也さんの美しい料理「幸也飯」を勝手に再現する、というテーマで作ったこともありました。お稲荷さんには紫色のしば漬けを混ぜ込んでみたり、紫芋と黄色いさつまいもを使って、春巻きの断面がきれいなグラデーションになるように巻いてみたり。完全に自己満足なんですけど(笑)、誰のためでもなく、自分が「作ってみたい」「きれいだな」と思うものを、とことん時間をかけて作るのがすごく楽しいんです。普段は「いかに簡単に、いかに時短で」というレシピばかり考えていますが、自分だけのために料理をするときは、その真逆。手間を惜しまず、見た目の美しさまで楽しみながら作っています。
――今後はどんなことに挑戦していきたいですか?
いつか和菓子屋さんをやりたいと思っています。これは、かなり本気で考えています! 私、あんこが大好きなんです。和菓子の中では特に串団子が好きで。もちろんスーパーやコンビニのものもおいしいんですけど、一番好きなのは、おじいちゃんやおばあちゃんが朝から蒸して作ってくれたような、やわらかくて、翌日は硬くなっちゃうみたいな昔ながらのお団子なんです。だからいつか、自分でそんなお店を作れたらいいなと思っています。
――最高ですね!
ありがとうございます。あと、7月から「iiyone with」という食と暮らしのブランドを立ち上げました。このブランドを始めようと思った理由は、昔の自分の経験が大きいですね。35歳くらいまでの私は、自分を人生の主役にできていなかったというか、いつも自分を後回しにして生きていました。だからこそ、私と同じように頑張りすぎている女性が、少しでも自分を優先できる時間を持てたらいいなと思ったんです。その第一弾として選んだのが、冷凍おにぎり。
おにぎりって、「お母さんが家で握るもの」というイメージがすごく強いですよね。もちろん手作りは素敵なことです。でも、たまには冷凍おにぎりに頼って、その時間を自分の好きなことや休息に使ってもいい。そんな選択肢を届けたくて、あえて”家庭料理の代表”とも言えるおにぎりを商品にしました。
――どんなことにこだわりましたか?
素材にもこだわっていて、お米は茨城県の日本料理屋の職人さんたちが作る自然栽培米コシヒカリ(農薬不使用、化学肥料不使用、堆肥不使用)を使っています。生産者さんが本当に面白い方で、田んぼは周囲をほとんど森に囲まれた場所にあるんです。他の田んぼから農薬や水の影響を受けにくい環境で、「本当の自然栽培をやってみたかった」とおっしゃっていて。先日、一緒に田植えをさせてもらったとき、「どう植えたらいいですか?」と聞いたら、「優しい気持ちで植えればいいんだよ。それが一番大事だから」と言われて。すごく素敵な考え方だなと思いました。
そんなご機嫌な人が育てたご機嫌なお米を、おいしい冷凍おにぎりにして、食べる人にもご機嫌を届けられたらいいなと思っています。「iiyone with」は、「わたしを、そして一緒にいる誰かを大切にする」がコンセプト。ブランドを通して、忙しい毎日を送る人たちの暮らしが少し軽くなり、自分を大切にする時間が増えるような商品を届けていきたいですね。
――プライベートでこれから挑戦してみたいことはありますか?
大きな夢でいうと、田舎との二拠点生活ですね。田んぼをやってみたいんです。場所にはあまりこだわりはないんですが、自分でお米を育てられるような環境で暮らせたらいいなと思っています。きっと最後は、お米を作って人生を終えるんじゃないかなって(笑)。というのも、私の本名は「米田」なんです。しかも名前は「瑞穂」。お米を意味する言葉でもありますよね。だからもう、これは使命なんじゃないかって思っています(笑)。
――最後に、仕事や育児などで毎日忙しく過ごしている女性たちへ、メッセージをお願いいたします!
女性って、子育てもそうですし、仕事もライフステージによってどんどん変化していきますよね。そんな毎日の中で、「ちゃんとやらなきゃ」と思えば思うほど、できなかったことばかりに目が向いてしまうんですよね。でも、ぜひ一日に一回でもいいので、「今日できたこと」に目を向けてほしいなと思います。「ちゃんとご飯を食べられた」「家族みんなが元気に過ごせた」「何事もなく一日が終わった」。それだけでも十分満点なんです。
まずは、そんな自分を労って、たくさん褒めてあげてください。そうやって少しずつ自分を認められるようになると、失敗も含めて「これが私なんだ」と受け入れられるようになって、自分自身をもっと大切にできる暮らしにつながっていくと思います。
私自身、夫と週に一度、「今週のハイライト」を話す時間を作っています。もちろん改善したいことを話すこともありますが、それ以上に「今週うれしかったこと」「楽しかったこと」を振り返る時間にしていて。忙しい毎日だからこそ、意識して幸せだった出来事を思い出す時間を持つことが、心を整えることにつながっている気がします。だからみなさんも、どんなに小さなことでもいいので、今日できたこと、今日うれしかったことを、自分に教えてあげてくださいね!
取材・文/竹尾園美 撮影/米玉利朋子(G.P.FLAG)
Profile
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およね
爆速レシピクリエイター。東京都生まれ、上智大学卒。大学卒業後、介護福祉系ベンチャーで新規事業開発に携わり、事業戦略や採用を経験。結婚・出産後は、教育・福祉領域の上場企業に転職し、“仕事と家庭の両立”を模索しながらキャリアを築く。
2021年12月「自炊ハードルを地の果てまで下げにいく」をモットーにSNSでレシピ発信を開始。等身大の視点が支持され、テレビ・雑誌・WEB出演のほか、企業のレシピ開発・プロモーション支援へと活動の場を広げる。これまで3冊のレシピ本を出版。近著に『“使いきるだけ”でうまくいく 物価高に負けないレシピ事典』(KADOKAWA)がある。
2025年に株式会社レシピラボを設立。2026年には食と暮らしのブランド「iiyone with」を立ち上げ、“暮らしの余白をひろげる”世界観を軸に商品開発と事業づくりを推進している。小学生2人の母。
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