舞空瞳、第二章へ。「宝塚100%」の先に選んだ新しい生き方
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これから先も清く正しく美しく、朗らかに。
――芸に終わりなしと言われるものの、星組トップ娘役になった時点で意識しはじめたというのが“退団の日”です。
「昔から宝塚ファンだったので、トップ娘役に就任した次が退団であることは理解していました。そこで、どんな自分になれたら退団を決意できるかと考えたときに頭に浮かんだのが、宝塚歌劇の創設者である小林一三先生です。小林一三先生に悔いなく、綺麗な心で“ありがとうございました”を言い切ることができる自分になったら卒業する、それを意識するようになりました。ひと舞台重ねるごとに自分に確認、気持ちを固めていった感じです。退団の日、大階段を降りて挨拶をさせていただいた際に使わせていただいたのも小林一三先生の言葉。清く正しく美しく、そして朗らかに。私の9年間の宝塚人生を支えた言葉であり、これからも宝塚の名に恥じないように生きていきたいという志を表明するものでもあったと思います」
素顔の自分の心の声に耳を傾けたい

――撮影中の体の隅々まで意識の通った美しく、それでいて自由でしなやかな動き。舞空という名前を体現したようなその姿に、スタッフからは何度も感嘆の声が漏れたほど。
「娘役としてではなく素の舞空瞳として撮影していただけることが、今は新鮮で楽しい。本名に戻ったようであり、舞空瞳としての視野が広がっていくような感覚もあります。まだまだ学ぶことばかりですが、こういう呼吸をしたらこんな表情になるとか、宝塚時代とは違った視点で表現を考えることに面白さも感じているんです」

カットソー¥8,360/BayBee、スカート¥18,700/ストロベリーフィールズ(シュガー・マトリックス)、ピアス¥15,400/Aendia(ロードス)、リング¥69,300/モニス(シープレス)
――衣装を脱いだ自分で表現する喜びを覚えつつも、今は焦らず、心の声にじっくり声を傾けたいと舞空さん。
「『ハンナのお花屋さん』という演目でハンナ役を演じたとき“自分の心がわからなくなったときは心の声を聞いて、自分の心に正直に”というようなセリフがあって、当時よりも今のほうがより深く受け取れるようになったという気がします。宝塚の時代も自問自答を繰り返しながらやってきたのですが、大切にしていたのは役を演じる自分の心の声。役という肩書きは外れた今は、素の心に向き合っている感覚。日々の生活では、じっとしているのが苦手で予定を詰めがちなのですが、ゆっくりと心の声に耳を澄ませることを意識していきたいと思います」

取材・文:櫻井裕美 撮影:堺優史(MOUSTACHE) スタイリング:田中梨奈 ヘアメイク:沼田真実(ilumini)
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