隠れていた才能を社会へ。株式会社Surpass代表・石原亮子が挑み続けた18年
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「女性の健康問題」と「お金」をタブー視してはダメ!
――ここからさらに女性が社会に進出するために、どんな課題があると思われますか?
「ルールを決める人たちに女性を増やすべきです。“アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)”がまだまだ多いんですよ。たとえばトイレ掃除。多くの中小企業では女性社員の役割です。『女子トイレはいいとして、なぜ男子トイレも?』と聞くと、誰も明確な理由を答えられない。『だって、そういうものでしょ?』という。まさに無意識の偏見です。それから高市首相が国会で初めて女性の健康問題についての話をされましたが、まさにこれが日本が目を背けてきた社会問題。更年期や生理の健康問題からくる経済損失って、年間で約3兆円と言われているんです」
――3兆円!
「男性だけでなく女性自身も、健康問題を感情論として捉えてきてしまったんですよ。気合いと根性で乗り切れ!できないなら女性は会社のルール決めには入れられない、お茶汲みだけやっといて、ということになっていたわけです。それで年間3兆円損失ですからね。こうやって数字を出したことで、ようやく『社会で配慮すべき問題だ』ということになってきたんです」
――Surpassでは「女性リーダースクール」を開講していますが、こういったお話も聞けるのでしょうか。
「ワークショップやアウトプットがメインですが、女性という生き物についても触れています。更年期とか生理前のしんどさって怠けているわけじゃないのに、どうしても自分を責めちゃう。だから私は『しんどいのはあなたのせいじゃない。ホルモンのせいです!』と話しています。子供を生む機能を持って生まれてきた人に起こりうる生理現象を経済損失として理解し、男性社員にも把握してもらえるように正しい知識と対処法を伝えています」
――そういったことを会社が、社会が理解していけば、会社のリーダーとなる女性が増えていきそうです。他にも次世代リーダーに必要なものは?
「リーダーの持つべきものは言葉の力です。多くの女性が自分の言葉を持っていません。例えば『なぜ大学に行くの?』と問われて『親に言われたから』『みんな行ってるから』ではマネージメントはできない。『私がこう思ったからです』という言葉が人を、会社を動かします。そして言葉を持つには、まずは自分を知ることが必要です」
――リーダー志望でなくとも、自分の言葉を持つことは、すべての女性にとっても良いことだと思います。自分を知るにはどうすればいいのでしょうか?
「最近考えたことなんですけど、『稼ぎたい』という自分の意思を明確にするといいです。自分はどういう生活したいのか、そのためにはどのぐらい稼ぐべきか。日本ではお金の話ってタブーにされがちですけど、ただ理想だけを掲げて『稼ぎたい』という気持ちにフタをしたままだと矛盾が生じるんです。女性の自立には、お金とホルモンバランスというタブーを破ることが絶対に必要なんです」
――理想を実現させるにも、自分や大切な人の健康を守るにも、お金は必要です。
「その通り。夢と愛情さえあれば……と言いたいところですが、守りたいものを守れる力を持つことが、私の中での経済力なんです。今は大丈夫でも将来的に何か行動を起こさねばならないタイミングが来たとき、経済力がなかったら『なぜ準備してこなかったんだろう?』って悔やむと思うんです。私自身、自分が20歳のときに父親が急逝したのですが、父に我々家族の知らない多額の借金があったんです。それは保険金でなんとか返済できましたが、もしも母が専業主婦だったらその後のために家を手放し、生活が破綻していたかもしれない。諦めた夢もありましたが、母に経済力があったおかげで私は精神的に守られました。『女性も経済力を持つべきだ!』と自覚したのは、これがきっかけなんです。自分だけが幸せになる稼ぎを想像することに罪悪感を覚える人は、大切な人を幸せにするならば……と意識してみるといいですよ。そのためにどれぐらい稼ぐべきかは、AIに聞いたらパッと出てきます」
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石原亮子
株式会社Surpass代表取締役社長。2000年に大手生命保険会社へ入社し、トップセールスとして活躍後、2008年に株式会社Surpassを創業。当初から「女性の力で社会を動かす」という信念を貫き、誰もが可能性を発揮できる営業・DX教育・組織開発モデルを構築。2025年には「一般社団法人 官民連携女性活躍DXコンソーシアム」創立メンバーとして理事に就任。官民連携による女性のDX人材育成と地域活性化を推進している。
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