「美味しいの原点を探して」幸後綿衣|vol.1 天然のじゅんさいを求めて(秋田県)

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じゅんさいを求めて訪れた秋田県

第一回目にお届けするのは、“じゅんさい”。

じゅんさいの旬は5〜8月頃で、この時期の若い新芽は、ゼリー状のツルツルとした粘り気と、ぷるんとした独特の食感を楽しめます。

いま現在、「鮨 めい乃」でも提供しているメニュー「茄子そうめん じゅんさい」。「じゅんさいってそもそも何?」と綿衣さんの純粋な問いから旅はスタートしました。

春〜夏に提供しているメニュー「茄子そうめん じゅんさい」

気が遠くなる作業に驚きと感銘を受けたじゅんさい沼

知人の紹介で訪れたのは、秋田県山本郡三種町。

じゅんさいは、そのほとんどが秋田県で生産されており、全国生産量の約9割を占めています。なかでも、世界自然遺産・白神山地の麓に位置する三種町は、日本一のじゅんさいの産地として知られています。

じゅんさいを育むのは、白神山地から湧き出る豊かな伏流水。もともと天然のじゅんさいが自生する沼が点在していたことからも、この土地がじゅんさい栽培に適した環境であることがうかがえます。

昭和50年代に水田からの転作が進められて以降、じゅんさい沼は年々増加。生産者たちの努力と豊かな自然環境に支えられながら、三種町は現在も日本一の収量を誇っています。

じゅんさい沼は、風通しがよく、太陽の光がしっかりと届く環境でなければ育たないそうです。その繊細な条件と、一つひとつ手作業であるため、近年は担い手の減少とともに、じゅんさい沼そのものも少なくなっているのが現状です。

そして今、産地が抱える大きな課題のひとつが、摘み手の高齢化です。

じゅんさいの収穫は、古くから地域の女性たちが担ってきました。農作業の合間にじゅんさいを摘み、地域の産業を支えてきたのです。しかし近年は高齢化が進み、担い手が年々減少しています。

さらに、温暖化の影響も見過ごせません。夏場の日中は気温や日差しが厳しくなり、沼の上で長時間作業を続ける負担が大きくなっています。そうした環境の変化もあり、じゅんさい沼から足が遠のいてしまう人が増えているのではないかと感じます。

じゅんさいってアルプスの湧き水みたいに、自然の中でちゃんと生きている。

だから、ただの高級食材としてじゃなくて、ちゃんと“活かしていきたい”なって思ってます。

あとやっぱり、出汁とか動物性タンパク質との掛け合わせは間違いなく美味しいですね。
地鶏のスープに合わせたり、ポン酢や、「鮨 めい乃」ではいりこベースのさっぱりうまみのあるお出汁と合わせています。

じゅんさいは、ゼリーが多く、柔らかくて、葉がまだくるりと巻いた新芽の状態がもっとも貴重とされ、葉が開くにつれて等級が下がっていきます。一方、産地では少し葉が開いたじゅんさいも無駄なく活用されており、比内地鶏の出汁に醤油を合わせたシンプルな鍋で味わうのが定番。

さっとくぐらせるように温めていただくじゅんさい鍋は、つるりとした食感と豊かな風味が際立ち、地元ならではの食べ方として親しまれています。

実際に味わってみると、そのおいしさは格別! 私自身、すっかりじゅんさい鍋の魅力にハマった一人でもあります。

私も舟に乗ってじゅんさい採りにも挑戦しました。

一人で沼に放たれたので、正直ちょっと怖かったですね。いや、めちゃくちゃ怖かったです(笑)。

▼舟に乗る綿衣さんの動画はコチラ!

https://youtube.com/shorts/Et-9xi1Cdl0?feature=share

そもそも、じゅんさいが沼地に生えていることを知りませんでした。でも、あの環境で育つからこその魅力があって、すごく惹かれました。

じゅんさいは一本ずつ手作業で摘み取るもの。根元から引き抜くことはできず、水の中で「ジュキッ」と外すように採っていく。気の遠くなるような、繊細な作業

 

Profile

幸後綿衣

幸後綿衣

1989年6月30日、徳島生まれ、福岡育ち。高校進学と同時に上京。上智大学卒業後、すし職人を目指し「すし匠」「西麻布拓」「鮨 あらい」10年にわたり修行。修行中にソムリエ資格を取得し、2018年に1年間フランス留学。2019年に「鮨 あらい」に復帰し、2番手に。2018年には1年間フランスに留学しソムリエ資格を取得。2019年「鮨 あらい」に復帰し、鮨を握ったり、煮物、汁物の味付け全般を任せられるように。2020年から2番手として腕を振るう。2023年11月独立、麻生十番に「鮨 めい乃」をオープン。

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